含み益が増えたら、利益確定した方がいいですか?

含み益が増えたら、利益確定した方がいいですか?

長く投資を続けていると、含み益が大きくなることがあります。

たとえば、これまで1000万円投資してきた株式インデックスファンドが1500万円になった。

500万円の含み益です。

そうなると、

「そろそろ利益確定した方がいいのではないか」

と思う人もいるでしょう。

せっかく500万円も増えたのに、この先株価が下がって、利益がなくなってしまったらもったいない。

「利益は確定して初めて利益」という言葉もあります。

でも、長期投資をしているのであれば、私は含み益が出たという理由だけで売る必要はないと思っています。

まだ使う予定がない。

資産配分にも問題がない。

持っている商品の役割も変わっていない。

だったら、

まだ投資の途中です。

長期投資では、含み益がある状態は珍しくない

株式など成長が期待できる資産へ長期間投資するのは、時間をかけて資産を育てるためです。

もちろん途中では値下がりすることもあります。

一方、長く投資を続けて資産が育ってくれば、買ったときより時価が高くなっている状態も珍しくありません。

1000万円が1100万円になる。

1200万円になる。

1500万円になる。

そのたびに、

「利益が出たから売ろう」

と考えていたら、長期投資なのに何度もゴールテープを切ることになります。

そもそも、そのお金をまだ10年以上使わないのであれば、何のために利益確定するのでしょうか。

1500万円を売却して現金にして、また同じような商品へ1500万円を投資する。

それなら、投資している状態そのものはあまり変わりません。

「500万円の利益を確定した」という気分にはなりますが、同じ1500万円を再び投資するなら、また市場の値動きにさらされることになります。

利益が出たことと、売る理由ができたことは別

もちろん、利益が出ている商品を売ること自体が悪いわけではありません。

売る理由があるなら、売ればいいと思います。

たとえば株価が上昇して、もともと60%だった株式の比率が70%になった。

自分で決めた基本配分へ戻すために、一部を売却する。

これはリバランスです。

近いうちに住宅を購入することになった。

子どもの教育費として使うことになった。

退職が近づき、生活費として使うお金を現金へ移すことにした。

もっと自分に合った商品へ乗り換えることにした。

こうした場合にも、売却する理由があります。

あるいは、

「一度利益を確定すると、なんだか嬉しい」

でもいいと思います。

自分で分かってやるのであれば、それも人間のお金の使い方です。

ただ、

「500万円も利益が出たから」

ということと、

「今、この商品を売る必要がある」

ということは、別の話です。

「下がる前に売る」なら、その次も決めなければならない

「今はかなり上がったから、一度利益確定しておこう」

という考え方もあります。

でも、売ったあとにもう一度投資するつもりなら、次の問題が出てきます。

いつ買い戻すのか。

10%下がったら買うのか。

20%下がるまで待つのか。

それとも、さらに上がってしまったらどうするのか。

一度市場から降りると、今度は戻るタイミングを決めなければなりません。

これは以前、暴落について書いたときと同じです。

未来の相場が分からない以上、

「高いところで利益確定して、安くなったら買い戻す」

ことを毎回うまく繰り返すのは簡単ではありません。

長期投資を続けるつもりなら、含み益が増えたというだけで市場から降りなくてもいいと思います。

含み益を見ると、少し気が大きくなる

もう一つ、含み益が増えたときに気をつけたいことがあります。

1000万円が1500万円になると、500万円がどこか「臨時収入」のように感じられることがあります。

「500万円も儲かったんだから、少しくらい使ってもいい」

「これだけ増えたんだから、次はもう少しリスクを取ってみよう」

そんな気持ちになることもあるでしょう。

でも、500万円だけが別のお金として口座に入っているわけではありません。

今、自分が持っているのは1500万円の資産です。

含み益が増えたことで、基本配分から大きくずれているのであれば、リバランスを考える。

そうでなければ、特別なことをしない。

私はそのくらいでいいと思っています。

NISAなら、なおさら売る理由を考える

NISAで保有している商品に含み益が出ている場合も、考え方は同じです。

NISAでは、保有している商品から得られる売却益は非課税です。

現行制度では、商品を売却すると、その商品の取得金額に相当する非課税保有限度額は翌年以降に再利用できます。

たとえば1000万円で購入した商品が1500万円になって売却した場合、翌年以降に再利用できるのは1500万円ではなく、取得金額である1000万円分です。

また、売却したからといって、その年の年間投資枠が復活するわけではありません。

だから、特に使う予定もないのに、

「利益が出たから、とりあえず売っておこう」

と売却する前には、何のために売るのかを一度考えてもいいと思います。

まだ、投資の途中です

「利益は確定して初めて利益」

という言葉があります。

短期的な売買では、そういう考え方が役に立つこともあるでしょう。

でも、長期の資産形成まで、含み益が出るたびに利益確定する必要はありません。

まだ使う予定がない。

資産配分も変わっていない。

持っている商品の役割も変わっていない。

だったら、

まだ投資の途中です。

いつかそのお金を使う日が来る。

あるいは、人生が変わって資産配分を変える日が来る。

そのときには、売ればいい。

利益が出たことと、売る理由ができたことは別です。

含み益の数字を見るたびに、何かしなければと思わなくてもいい。

長期投資では、何もしない時間も、投資の一部だと思います。

このテーマを、もう少し考える

売るなら、利益ではなく配分を理由にする
「上がったものを売るのは、意外と難しい」

もっと良い商品が見つかっても、すぐ乗り換える必要はない
「その投資信託、本当に乗り換える必要がありますか?」

何もしない時間も、投資の一部と考えてみる
「証券口座を閉じたあとも、相場を見続けていませんか?」

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